子どもたちの確かな学力を育んでいくためには、学校の授業だけではなく、家庭や地域と協力しながら、「自ら学ぶ力」を伸ばしていくことが重要です。
学校では、さまざまな取り組みにより子どもたちの興味・関心を広げ、主体的な学びを支えています。
■充実した学校図書館で児童・生徒の読書活動を推進
子どもの頃に多く読書した人は、社会性が高く、将来に明るい展望を持ったり、新しいことに関心を持ったりする割合が高いことなどが分かっています。
読書は、興味や知識を広げ、考える力を育てるとともに表現力を豊かにし、創造性を伸ばすなど、子どもの成長には不可欠です。
魅力ある学校図書館は、読書を促すだけでなく居場所としての役割も担うことができます。
子どもたちの「本を読みたい!」に応え「読書って楽しい!」という気持ちを伸ばす、居心地の良い学校図書館を目指して、五つの整備を進めています。
(1)学校図書館の本の充実
本の冊数を増やしたり、古くなった本を新しく買い替えることを促進したりしています。4年度の市内小・中学校の総冊数は約12万5000冊から約13万冊と、約5000冊増やしています。
(2)学校司書の全校配置
全ての学校図書館に配置された学校司書が、購入する本の選択や点検など、学校図書館の維持・管理を行っています。
司書のおすすめの本を詰め合わせた「本の福袋」や本を紹介する手作りカードなど、それぞれの創意工夫によって、読書に親しみやすい環境づくりを進めています。
(3)一人一冊配本
学校司書がおすすめする50冊の本の中から、市内小・中学校の全ての児童・生徒に読みたい本を選んでもらい、一冊ずつ配付しました。2年度から継続している人気の事業です。
配付した本をきっかけに、その本の続編や他のおすすめの本に興味が湧くなど、多くの児童・生徒が読書に親しんでくれています。
自分が選んだ本を紹介して、それぞれ読みたいと思う本に投票する「ビブリオバトル」を行うなど、授業においても活用されています。
(4)新聞の配架
新聞を市内小・中学校の学校図書館や小学校4年から中学校3年までの各クラスに配架しています。小学校では子ども新聞、中学校では中・高生新聞を配架し、さまざまな社会の課題に向き合うことを促しています。
学校図書館には新聞記事をスクラップして展示し、興味を持った児童・生徒が記事に関連する本を調べることで、情報の収集・選択・活用能力の向上につなげています。
(5)市立図書館との連携
市立図書館と連携して、学習支援を行っています。授業でたくさんの本が必要な場合には市立図書館から学校図書館へ「団体貸出」をしたり、校外学習などの活動に関連する本を市立図書館の司書が選び、学校図書館へ提供したりしています。
◇学校司書の方にお話を伺いました
〇綾瀬中学校司書 村田さん
「料理を始めた」と話があればレシピ本を追加するなど、生徒の興味を大切にした選書を心掛けています。読書の他に、勉強する生徒もいます。受験では問題文が長く、読解力が重要なようです。学校図書館で活字に親しんで、読解力・創造力を育ててほしいと願っています。
〇落合小学校司書 岩谷さん
今年度は、年間100冊以上を読破する子どもがたくさんいます。市の取り組みとして、読書環境の充実に力を入れているので、小さい頃から読書習慣が身に付いた「本が読める子ども」が年々増えていると感じています。
問合せ:教育指導課
【電話】70・5660