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市内のちょっと珍しい文化財を紹介(11)

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神奈川県綾瀬市

早川城跡(はやかわじょうあと)・早川城山遺跡(はやかわじょうやまいせき)

目久尻川歴史文化ゾーン事業の一環として、早川城跡と早川城山遺跡を紹介する看板と、より詳しく学べるARアプリが公開されています。
この機会に、ぜひ現地へ足を運んでみてください。

■県指定史跡・早川城跡
早川城跡は、中世に築城された山城です。周辺地域には古くから城跡があったという言い伝えがあり、明治時代中頃に編さんされた「綾瀬村風土記」にも記録があります。平成元年~6年にかけて行われた発掘調査で、中世の山城跡であることが明らかになりました。中世の山城の様子が良好に残る遺跡として、平成20年2月5日に県指定史跡に指定されました。
発掘調査により、頂上の主郭を取り巻く堀切や物見塚、土塁(どるい)、竪堀(たてぼり)、堀、曲輪(くるわ)、柱穴(ちゅうけつ)が発見されました。当該地は、舌状に張り出す台地の南端部に立地し急傾斜の斜面や谷戸に挟まれています。遺構の種類や地形から、防御性の高さを意識した造りになっていることが分かります。本城は、兵士が常駐していた城ではなく非常時の防御施設だったと考えられます。

■早川城山遺跡
早川城山遺跡は、旧石器時代、縄文時代、古墳時代、古代の複合遺跡で、早川城跡とは区別されています。平成元年~6年にかけて行われた早川城跡の発掘調査で、勝坂(かつさか)式土器(中期中葉)が多量に検出された縄文時代の住居跡や、古墳時代・古代の土師器(はじき)や住居跡が発見されたため、その後の平成11年の城山公園整備工事に伴い、駐車場(A地点)と早川城跡南端部(B地点)の2地点で発掘調査が行われました。
A地点からは、五領ヶ台(ごりょうがだい)式(中期初頭)の土器、ピット群、集石が見つかりました。また、平安時代の竪穴住居15軒、掘立柱(ほったてばしら)建物1棟が見つかり、8世紀前半~9世紀後半の集落の存在が明らかになりました。素焼きの土師器の他に「一万」と書かれた墨書(ぼくしょ)土器や赤彩(せきさい)土師器片など多くの遺物が出土しています。
B地点からは、8世紀前半~10世紀頃の竪穴住居10軒が見つかりました。奈良三彩小壺(ならさんさいこつぼ)の蓋(ふた)やすすが付着した灯明皿(とうみょうざら)、朱墨痕(しゅぼくこん)のある土器片など、他の住居では出土しない遺物も検出されており、目久尻川の対岸にある宮久保遺跡との関係も指摘されます。BH1号住居址(じゅうきょし)から出土した奈良三彩小壺の蓋は、県内でも発見例が少なく、高座郡や綾瀬の古代を考える上で重要な遺物として平成26年に市指定文化財に指定されました。

■ARアプリ「早川城跡AR歴史探検」
縄文時代から室町時代にかけての遺構を、CGや資料によって楽しみながら学ぶスマートフォンアプリです。現地で見るのはもちろん、自宅からでも遺跡について知ることができます。

問合せ:生涯学習課
【電話】70・5637

       

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