学校では、次代を担う子どもたちが心豊かに、健やかに成長していけるよう、たくさんの人々が携わっています。
しかし、一般の方が学校の中に足を踏み入れる機会は少なく、どんな人が働いているのか、よく知らないという方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は「学校を支える人材」をテーマに、学校で働いている方々にインタビューしました。
■中学校教諭
綾北中学校 鈴木章矢(すずきふみや)教諭
1年生担任 採用4年目
◇先生になろうと思ったきっかけは何ですか?
母と2人の姉が先生で、家でいつも楽しそうに子どもたちの話をしていました。それを聞いているうちに、いつの間にか自分も先生を目指すようになっていました。もともとは数学の先生を目指していたのですが、大学で技術の教育課程を取ってみると意外と面白くて、技術の先生になりました。
技術の面白さは、自分が今まで苦手と思っていたことでも、実際に手を触れて、体験してみることで全く印象が変わる可能性がある点だと思います。私はトマトが苦手だったのですが、大学で自分が種から育てたトマトを食べてみると、言葉にできないほどおいしくて……。そんなふうに、経験がないこと、触れたことがないことを子どもたちにもたくさん実践してほしいと思っています。
◇印象的な授業は何ですか?
中学3年生の「情報の技術」の分野で、LINEのようなメッセージアプリを作っています。この授業は自分でゼロから試行錯誤して実現させたものなので思い入れがあります。大学で情報処理を専攻していましたが、準備には校内のネットワークやセキュリティーの確認、プログラム環境の整備などが必要で、想像以上に時間がかかりました。しかし、実際に授業で完成させたアプリを生徒同士で使い、返事が返ってきた時の「わーっ」という歓声を聞き、苦労のかいがあったと感じました。中学生には難しい課題だと思いますが、なじみのあるアプリということで、みんな意欲的に取り組んでくれています。
■小学校教諭
綾瀬小学校 福島沙葵(ふくしまさき)教諭
4年生担任 採用5年目
◇先生になろうと思ったきっかけは何ですか?
中学1年生の頃の担任の先生です。いつも優しく、どんな相談にも本当に親身になってくれました。また、私は数学が苦手だったのですが、その先生の授業だと、不思議と数学が面白く感じられました。いつの間にか「私もこんな授業ができたらいいな」という気持ちが芽生えていました。
小学校を選んだのは、もともと小さい子と接するのが好きで、より早い段階から子どもたちの学びをしっかりとサポートしたかったからです。運動会などの行事も一緒に参加できるのが楽しいですね。子どもたちは日々違う顔を見せてくれるので、同じ日は1日としてありません。毎日本当に楽しく過ごしています。
◇綾瀬市ならではの授業はありますか?
綾瀬市は地域での学習がしやすく、学ぶ材料がとても多いです。近くに川や自然豊かな公園があるので、生活科や総合的な学習の時間によいですね。また、商業施設のみなさんが子どもたちを積極的に受け入れてくださるのもありがたいです。スーパーの学習をした時は、陳列棚だけではなくバックヤードまで見せてくださって、商品が店頭に並ぶまでを知ることができました。
◇児童と接する中で難しいと感じるところはありますか?
ネットリテラシー教育です。例えば、SNSのコミュニケーションツールを使う際、大人であれば、メッセージを受け取る側の気持ちを考えながらやり取りができます。しかし、その点が未熟な子どもたちは、言ってよいことと悪いことの分別が曖昧なままツールを使ってしまうことがあり、相手を不用意に傷つけてしまったということが少なくありません。他にも、現代はオンラインゲームなどで顔の見えない相手とやりとりできますが、そういった場所では汚い言葉が飛び交っているといった話も聞きます。
学校でも道徳の授業などで、インターネットの危険性を教えていますが、やはりSNSやゲームとなると、校内で実際に使っている姿を見ることはできないので、限界があるというのが正直なところです。
◇先生の目が届かない点に関しての教育はやはり難しいのですね。
はい。なので、SNSやオンラインゲームの使用に限らず、学校外の子どもの行動については、ご家庭でも積極的に話し合う時間を設ける、ルールを定めるなど、気にかけてもらえるとよいなと思います。