弥生時代の食文化をご存じでしょうか?弥生時代は、一般的に稲作が日本列島で行われるようになった時代だといわれています。中国大陸から日本列島に稲作が伝わり、九州地方からだんだんと水田で稲作を行う文化が全国に広がっていきました。神奈川県域では、弥生時代中期頃(今から約2000年前)から水田耕作が本格的に行われるようになったと考えられています。
当時のお米はどのように調理されていたのでしょう?遺跡から出土するさまざまな土器を調べることで調理方法を考えることができます。その中の一つ、“甕形(かめがた)土器”という土器には、すすや焦げなどの炭化物や吹きこぼれた痕が残っており、お米を水に浸して炊いていたことが分かります。神崎遺跡からも甕形土器が出土しており、他の土器と見比べると表面が黒く焦げていることが分かります。炊き方は今と異なりますが、“米を炊いて食べる”という文化は今の私たちの食文化につながっています。
なお、弥生時代には、米の他に、小麦•アワ•ヒエなどの雑穀も栽培して食べていたようです。雑穀は、ビタミンや食物繊維も多く含んでおり、栄養バランスも考えられていたのかもしれません。
■お米以外には何を食べたの?
現代人もお米だけだとバランスが悪く、栄養が足りなくなります。弥生時代の人たちもお米だけ食べていたのではなく、さまざまなものを食べていました。その一つが“肉”です。遺跡からは、シカやイノシシ、ウサギや鳥の骨が出土することがあり、身近にいるいろいろな生き物を狩って食べていたようです。神崎遺跡からは出土していませんが、低地の遺跡や食べ物が多く残されている遺跡からは、肉の他にも、山に生えている山菜や木の実、川や海の魚や貝、大豆などの豆類の痕跡が出土しており、住んでいる地域や時期によって多種多様な食べ物を食していたようです。
■煮炊き実験
神崎遺跡からは、お米を調理した甕形土器が出土しています。また、令和元年の調査で、小さな土器片から“調理したお米”の痕跡が発見されました。これらの発見をもとに、弥生時代の“食”について理解を深めるため、体験付きの講座を実施しています。弥生時代に食べられていた肉や大豆を当時の味付けをイメージしながら試食することで、弥生時代に触れることができます。
■たいけん考古講座
火起こし・調理体験教室─弥生の食文化を学ぼう!─
日時:11月16日(日)10時~15時
対象:小学4年生以上の方(小学生は要保護者同伴)
定員:10人(申込順)
持ち物:タオル、筆記用具、昼食、汚れてもよい服装
申し込み方法:10月16日9時~11月14日に同課へ電話かメール【メール】[email protected]
問い合わせ:生涯学習課
【電話】70・5637