県立綾瀬西高等学校建設に伴い発掘された、旧石器時代から近世にかけての遺跡です。昭和56(1981)年からの県教育委員会による発掘調査では、12世紀の藤原顕長(あきなが)銘の壺(つぼ)、12~15世紀にかけての建物遺構や馬具・農具などが出土しています。さらに天平(てんぴょう)5(733)年9月の銘がある「鎌倉郷(かまくらごう)」と記載された木簡(もっかん)(県指定文化財)も見つかっています。「田令(でんれい)」「郡稲長(ぐんとうちょう)」などの職名や「軽部(かるべ)」という部姓氏族(べせいうじぞく)が記載された貴重な資料で、荷札として使われていたと考えられます。
同高等学校には、綾瀬を代表する本遺跡の出土物をモチーフにしたゆるキャラがいます。また、同高等学校の写真部と情報科学部の生徒の協力により、2月末の完成を目指し、湘南工科大学の学生が拡張現実(AR)を作製しています。
鎌倉郷:現在の鎌倉市の中心部
田令:日本古代の大和朝廷直轄地である屯田の事務をつかさどる官職
郡稲長:律令制で、各郡におかれた官稲(かんとう)の長
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